⑩交渉の達人となれ
交渉は条件を有利にするだけでなく、時間の節約にも繋がります。
また大和魂や武士道を貫く為にも交渉力が必要になるのです。
①ディベートとは「あるテーマに関して、対抗する2組が論理的にオーディエンス(観客)を説得するために議論すること」なのです。
ディベートは単なる議論ではなく、あくまで観ている第三者の支持を、対抗する2組のうちのどちらが得られるかを目的とした議論のことを言います。
さらに、ディベートが上手になることを目的とした教育ディベートとは、
1.「議論の教育を目的とし、ひとつの論題の下、2チームの話し手が肯定する立場と否定する立場とに分かれ、自分たちの議論の相手に対する優位性を第三者であるジャッジに理解してもらうことを意図したうえで、客観的な証拠資料に基づいて論理的に議論をするコミュニケーション活動。」になります。
2. 試合の配置は、
様々な方法が考えられますが、ジャッジと肯定派チームと否定派チームの三者がそれぞれ向かい合うように円陣を組むケースが多いです。
3.アカデミックディベートの種類
❶論証重視型ディベート(ポリシーディベート)は、ディベートの試合の前に十分な時間的余裕(数週間~数ヶ月)をもって論題を発表しておき、その論題に対する十分なリサーチとともに、証拠資料(evidence)を明示的に用いた論証に重きをおくディベートです。
米国の大学ディベートで多く行われ、日本の大学の英語ディベート、日本語ディベート、中学、高校生のディベート大会でも多く行われているディベートです。
フォーマットにはいくつかの種類があります。
❷即興性重視型ディベート(パーラメンタリーディベート)は、ディベートの試合直前の数十分間前に論題を示し、即興的に行うディベートです。
イギリスや、英連邦諸国で多く行われているディベートで、近年、日本でも大学生の英語ディベートで行われています。フォーマットは、複数あります。
❸好学尚武式ディベートは、 複数チーム対戦型で統一テーマに対して仮説を立てます、そしてその3つの理由を説明します。最後にそれらに対しての反対意見をぶつけ合い、結論まで導くトーナメントゲーム形式なのです。
統一テーマに対しての仮説もしくは決められた単元を発表します。
仮説と根拠の順位を得点化する方法になります。
3つの根拠を一人一人が順番に発表して行き、
決定的な論文や資料のリンクを記載します。
プレゼンシート3枚分以内で簡潔に説明し、
会話をテロップで表示するので3つを重ねることが出来ます。
最初にリーダーが口火を切り、その後に全体説明をします。
仮説を立てて、1枚1分以内で説明し→質問→返答を繰り返し、最後に修正案、提案者にも得点を与える仕組みです。
特徴的なルールとしては、一番最初に喋った人が優先権を持つこと、
3秒程度の時間差を入れること、
AIとオーディエンスがイイねやなるほどを入れること、結論は皆で話合うこと、最後に仮説と説明を1枚のサムネイルシートにまとめとして集約し、
他五人が得点をつけAIが最終的に纏めることです。
②ディベートで獲得できるスキルは、
❶思考力
❷論理的思考力 (Logical Thinking)
❸瞬時に考え判断する能力、瞬発的思考力 (Quick Thinking)
❹批判的思考力 (Critical Thinking)
❺発信力・・・短時間で的確に主張を行う能力、❻意図を的確に伝える構成力
❼説得力のあるプレゼン原稿の作成力
❽傾聴力・・・ 問題意識を持って聞く能力(Critical Listening)等になります。
③シックスハット法は、
思考に方向性を与え、チームで多角的にアイデアを出すことを可能にします。また個人の偏見や先入観の排除にもシックスハット法が活躍するため、自分では考えもしなかったフレッシュなアイデアを発見することができます。
アイデア出しセッションの主催者は「青い帽子」を使って、会議の議題を設定する「帽子」の順序を定めます。このテンプレートでは、アイデアを評価し、発展させるために、あらかじめ設定された順序を使用します:
★青い帽子 – ファシリテーターの帽子(セッションの開始時):青い帽子はファシリテーターの帽子であり、思考プロセスの計画、管理を指します。セッションの初期で議題、焦点、帽子の順序を決定するためにこの帽子が使用されます。
★白い帽子 – 情報に関する帽子:白い帽子は、情報を指し、どんな情報を持っているか、どんな情報が必要か、どこで手に入るかを示します。
★赤い帽子 – 感情の帽子:赤い帽子は、ある時点における感情と直感を表します。赤い帽子は、正当な理由なく感情を呼び起こすものです。
なぜなら、感情は時間とともに変化することがあるからです。
★黄色の帽子 – 価値を表す帽子:黄色い帽子は、物事を肯定的にとらえるためのものです。
メリットや価値を見出すものです。
灰色の帽子 – 判断を表す帽子:灰色の帽子はリスクの特定に役立ちます。批判的な判断に使用され、懸念事項には論理的な理由を述べなければなりません。最も強力な帽子の一つです。
★緑色の帽子 – 創造性を表す帽子:緑の帽子は、創造的思考、新しいアイデア、代替案、可能性、新しいコンセプトを生み出すことを意味します。
★青い帽子 – ファシリテーターの帽子(セッションの終了時):一連の流れの最後にある青い帽子は、要約、結論、決定、行動計画にも使用されます。
④橋下徹式交渉術
❶相手に利益を与える(譲歩する)方法?
「仮装の利益」を作り、相手に譲歩させたと思わせて、要求を飲んでもらうこと。
「仮想の利益」の例:納期を厳しめに設定しておき、交渉過程で納期を延長してしまいます。
こちらとしては、もともと厳しめの納期設定のため不利益は発生していないが、相手にとっては納期を延長してもらえたという形になるのです。
❷合法的な脅し方?
決裂したら、相手に大きな不利益をもたらすことを示します。ただし、これは自分に力がある時にしか使えません。また、他人の力を使うことには意味がありません。その人がいなくなれば、ふたたび牙を剥くからです。もちろん法律の範囲内での健全な脅しをすること(立場を利用して圧力をかけたりするのはNG)です。
合法的な脅しの例:他社からも同様の提案を受けていることを伝え、最終決裁の主たる材料が価格であることをチラつかせます。
❸ひたすらお願いをする?
これは最終手段で、いわゆる泣き落としになります。そうまでして獲得しなければいけない目標であれば、使用しても良いのです。
お願いの例:ぼくに一回だけチャンスをください!お願いします!!
ここまでくると、条件がどうとかではなく、もうお互いの関係性とか情に訴える形になります。
以上3つが、交渉における大前提なのです。
交渉前の準備段階で殆どが、決まってしまいます。
⑤一般的な交渉テクニック
❶自分が譲れないラインを明確にし、絶対に獲得しなければいけない目標を明確にすることです。
こちらが譲歩できるカードも明確になります。
かつ、先に譲歩することができるのです。
先に譲歩することは弱腰に見えますが、譲れないものが明確なため、結果的に交渉をリードすることができるのです。
❷相手の優先順位を知ること。
相手は何が欲しいのか?相手が絶対に獲得したいと思っていることを知ることが重要です。
❸相手の価値基準を知る。
会社のルールに則すのか?体裁を気にするのか?ワンマン経営で社長の機嫌に左右されるのか?
ケチくさいのか?など。相手が判断する上で重要視する性格を知っておくことで、切るべきカード、カードの出し方が変わります。
譲歩したように見せる「仮装の利益」の作り方も大切です。
❹わざと多く見せる(ふっかける)。
納期、品質の強い要求の場合には、最初に大袈裟な数字を出しておくのです。
❺一旦譲歩できないふりをしてから最後に譲歩するのです。一旦、持ち帰ったり、断っておいた後に、なんとか要求が満たせたという譲歩を出して話をまとめる方法になります。
⑥相手が困る状況を設定し、それを取り除きます。
困りすぎると決裂してしまうので、交渉の心構えと注意が必要です。
⑥交渉時のマナー
❶交渉が決裂しても相手を侮辱してはいけません。人間関係そのものが壊れてしまうからです。最後は握手して終えることが大切です。
❷価値観、思想、信条では交渉しないこと。
感情的になり、論点がズレて決着しなくなるからです。
❸獲得目標を最小限に絞り、それ以外は捨てる覚悟を持つことが大切です。
❹上司や部下に対しても、獲得目標を明確にしておくこと。交渉が発生した際に迷いがなくなるからです。
❺相手を余分に追い詰める交渉は、自分の評判を悪くするので、不必要に詰める必要はありません。窮鼠猫を噛むまで追い込まずに、逃げ道を作ってあげることがポイントになります。
❻決裂しそうな場合、要素分解をしてみます。
ここはダメだけど、ここは良かったんだということが意外とあったりするからです。
❼上記同様に、上司からの無茶振りに対しても要素分解することで、上司自身のこだわりと妥協点を炙り出すことができるのです。
⑦沈黙は金?
この「沈黙は金」は、「沈黙は金に例えられるほどの価値がある」、つまり「黙ることが時には大切である」という意味を持っています。「あれこれ弁解するより、時には黙っていたほうが良いこともある」という意味合いで使われます。
聖書では、「ダビデの沈黙」として知られています。語ることについて秀でた才能を持っていたダビデ。それにもかかわらず、神を目の前にする時は必ず沈黙しました。それは、どんな困難な時でも「救いは神からくる」と心から信じていたからです。神の前に立つ時は、自らを装ったり弁明したりする必要もないとして、どんな時であっても神の前ではひたすら沈黙して立ち続けていました。
沈黙は武士道の侍にも大切な価値観であり、黙っていると相手は我慢の限界に達し、墓穴を掘るような発言をして自爆することが多いのです。
また宮本武蔵のように、遅れて相手を待たせる作戦は相手を飲み込む手法として、駆け引きとしても有効に使えるのです。
⑧日本人の横並び意識とは?
日本人には学校教育で「周囲と同じでないとおかしい」という価値観が刷り込まれています。
また日本人の場合、教育やお金についての不安もさることながら、「人におくれをとる」ことに強い不安と恐怖を感じる人が多いようです。
日本人の約95%以上が生まれ持って恐怖遺伝子を持っていると言う研究結果からも明らかなのです。
たとえば会社の同期のなかで「一番に出世したい」ギラギラした人は少ないけれど、みんな「ビリにだけはなりたくない」と思っているのではないでしょうか。日本人は成功はしなくても良いが、失敗だけはしたく無いと考える傾向が強いのです。ムラ社会の時代から延々と続く同調圧力によって、「みんなと同じ」で安心する日本人が作りあげられてしまっているのです。
そんな日本人を説得する方法はいとも簡単に出来てしまいます。つまりは、「皆はもう始めている。」「皆はもう使っている」と言うように、他人の事例を挙げて説明をすると、多くの人々が我慢出来ずに動いてしまうのです。
以上のことを良く踏まえて交渉する事で、交渉はスムーズにに進んで行くのです。
⑨詭弁テクニックとは?
❶論点のすり替えは、非形式的誤謬の一種であり、それ自体は妥当な論証ですが、本来の問題への答えにはなっていない論証を指します。Ignoratio elenchi” とは ignorance of refutation(反駁とは何であるかを知らないこと)の意。”elenchi” はギリシア語の έλεγχος に由来し、反駁の主張・論証を意味します。
論点相違の虚偽、論点無視の虚偽とも言われます。
アリストテレスは、論点のすり替えは相手の主張に反駁する際に犯してしまう間違いであると考えていたため、その当人が反駁とはどういうものかについて無知なのだと述べました。
アリストテレスにとって、論点のすり替えは論理を知らないことに等しいのです。
実際、アリストテレスはすべての論理的誤謬は論点のすり替えに還元されるとまで言っています。
❷洗脳教育
学校とは本来、国家に従順な国民の養成機関でした。しかし、インターネットの発達で国境を無視した自由な交流が可能になった現代、国家は名実ともに“虚構の共同体”に成り下がってしまいました。もはや義務教育で学ぶ「常識」は害悪でしかなく、学校の敷いたレールに乗り続けては「やりたいこと」も「幸せ」も見つかりません。
それでは、これからの教育の理想形とはいかなるものになるのでしょうか?
「学校はいらない」「学びとは没頭である」「好きなことにとことんハマれ」「遊びは未来の仕事になる」これが、本音で闘うホリエモンの“俺流”教育論!になるのです。
❸悪役を作り成敗するストローマン、
ストローマンは、議論において、相手の主張を歪めて引用し、その歪められた主張に対して反論するという誤った論法、あるいはその歪められた架空の主張そのものを指します。
ストローマン手法は、藁人形論法、案山子論法(かかし論法)とも言われます。
❹繰り返しのトートロジー
トートロジーの語源はギリシャ語で「同じ」を意味するταυτοから)とは、ある事柄を述べるのに、同義語、または類語、または同語を反復させる修辞技法のことです。同義語反復、類語反復、同語反復等と訳されます。関連した概念に冗語があり、しばしば同じ意味で使われることもあります。繰り返し強調することで、相手の脳裏に刷り込まれて行くのです。
また、撞着語法はトートロジーの反対の技法になります。
⑩最後の質問
あなたが考える最善の交渉方法とは何でしょうか?
参考文献
橋下徹 交渉力 PHP
堀江貴文
すべての教育は「洗脳」である 21世紀の脱・学校論 (光文社新書)