⑨ビジネスモデルごと変えてしまえ

① ビジネスモデルとは?

ビジネスモデルとは、企業が収益を上げるための仕組みを表したものです。

基本的なビジネスモデルとは、Who(誰に)、What(何を)、How(どうやって)提供するのかを考えることです。厳しいビジネス環境下では、どのようなユーザーに、どんなサービスを、どうやって届けるのか、よりユニークなアイデアで具体的に考える必要があるのです。

また、よいビジネスモデルとは、企業・ユーザー・利害関係者の3社にとって益がある三方よしの状態で、ビジネスに継続性がある状態なのです。

 私は、新たなビジネスモデルを生み出すことから、革新的なビジネスが世に生まれるのだと考えます。革新的なビジネスモデルを生み出す為にも、成功した企業のビジネスモデルを沢山調べて、研究する必要があるのです。

 成功したエクセレントカンパニーのビジネスモデルを学ぶ為にはTV番組の「ガイアの夜明け」「カンブリア宮殿」「がっちりマンデー」「知られざるガリバー」を観ることをお勧め致します。それらの番組を通して、成功企業のケーススタディを沢山経験し、経営者の人生を学ぶことが、重要なヒントになることは間違いありません。

 気に入った経営者については、著作等を含めて徹底的に研究をして、目標にして欲しいのです。

 因みに私が尊敬する経営者は、SONYの創業者である故盛田昭夫氏、日本マクドナルド初代社長の故藤田田氏、パナソニック コネクト株式会社の初代 代表取締役 執行役員 社長 樋口泰行氏です。

 今後のメタバース時代のビジネスモデルは、今までの常識を捨てて、180°違った視点で考えて行く必要があるのです。

②顧客満足度
顧客の為に仕事をし、顧客の声を聞き、顧客に感謝の気持ちを表現することが第一番になります。
利益率や成長率と言った指標では無く、
顧客満足度こそを一番重要な指標として経営戦術の柱に添えて行くことが最も重要なのです。

トラブルクレーム、行列はビジネスチャンスと捉えて、それらを改善するにはどうしたら良いかと考えることで、どんなビジネスモデルにすれば良いのかがわかる様になるのです。

 最初にビジネスモデルを考えるのでは無く、問題解決の為にビジネスモデルを考える発想が重要だと言うことになるのです。

③ファビュレス経営

ファブレス経営とは、固定資産を最小限にする経営のことで、特にメーカーにおいては、自社で工場を持たず、コア事業に特化するビジネスモデルを指します。

 製造設備の初期投資を抑えられ、急速な市場の変化に対応できる一方、製造を委託することで、情報漏えいリスクや品質維持の難しさがあります。委託先と適切な関係性築き、ブランド力を強めて独自市場を開拓するなど競争力を高めることが重要になるのです。

 ファビュレス経営の最大のメリットは、初期投資が少ないという点でしょう。

工場を所有するには、建設費用はもちろんのこと製造に必要な設備も自社で用意しなければなりません。規模や業種にもよりますが、工場をゼロから用意するには莫大な資金が必要です。そして、それだけの工場建設に必要な資金調達に土地探し、さらに工場建設と時間も資金もかかります。 一方でファブレスであれば、工場や工場の従業員を確保する必要もありませんから、最低限の人員だけで始めることができます。企画や開発ができる人員がいれば、1~2名というわずかな人数で起業することも可能でしょう。設備にかかる償却費だけでなく人件費も含めた資金を抑えられれば、新規参入のハードルも低くなります。

また、市場の変化に対応しやすいという利点があげられます。新しい商品を開発する際には、設備が対応していないと製品として形にできませんし、受注に追いつかないという問題が生じます。ファブレスモデルならば、必要に応じて設備が整った工場に受注するという選択ができます。
このように、メタバース時代のビジネスモデルでは、今迄のような、固定費にはお金を掛けずに、コアテクノロジーの開発やコンテンツに出来るだけ多くの資源、人財、資金を投入して行かなければなりません。
今迄大きな割合を占めていた、賃貸料やインフラ、正社員への投資の割合を下げて行く必要が有るのです。

 一方では、アウトソーシングの割合が急速に増えて行くものと予想をします。
企業は、よりコアビジネスに注力する為に、バックオフィス的な業務での正社員は要らなくなります。またコアビジネスでの人件費も高騰する為、正社員として雇うのでは無く、必要な仕事を実績に応じてアウトプットベースで依頼する形態に移行して行くのです。

④資金調達
銀行やVCから資金調達をするのでは無く、クラウドファウンディングや一般人から直接資金を調達するケースが増えて来ると予想されます。
クラウドファウンディングでお金を借りても、
出資者にはお金では無く、モノやコトで還元するのです。
そのような投資は、先払いで資金を確保し、無駄なマージンや株式オプションは必要無くなり、企業の成長スピードを高めることにも繋がるのです。株式を未公開にすることで、余計な規制を受けずに自由にやれ、競合他社からの乗っ取りも防げます。関係者には、ストックオプションの代わりに、ポイントや暗号コインを与えることで、
インセンティブと節税にもなりそうです。

⑤会員制ビジネスモデル

超富裕層の会員制倶楽部が成長しそうなので、ホテル経営から倶楽部会員制へ移行させるビジネスモデルに勝機がありそうなのです。

超富裕層を対象にすることで、資金調達にも繋がりますが、今迄のように全ての大衆一般を顧客対象にするのでは無く、会員制として熱狂的な一部のファンを囲い込むことが重要となります。
入会の敷居を高くして、信頼性を高めて、コミュニティをブランド化することで、安定的に顧客や収入を確保することが出来るようになるのです。
 毎月の会費がクレジット前払いで積み上がるので、銀行的な集金スタイルとビジネスモデルが整うのです。

⑥世界標準化

今後はDAO型のビジネスモデルが世界標準になって行きそうです。

DAO(Decentralized Autonomous Organization)とは、日本語にすると「分散型自律組織」となり、ブロックチェーン上で世界中の人々が協力して管理・運営される組織のことなのです。

DAOの特徴は以下の通りです。

①中央管理者がおらず、参加者同士で管理

②透明性が高く、誰でもソースを閲覧できる

③誰でも組織に参加できる

メタバースの時代には中央集権的な世界の標準化では無く、自律的分散型DAOの様な海外横断連携で世界が標準化して行くので、支配者へ向けた上目眼線だけでは無く、横目線、同一目線で世界を見ながら、世界標準に順応して行くことが求められるのです。

 一方でハッキング、誹謗中傷等に対する規制は強化して、問題を起こした人物には制裁を課す、相互監視体制や仕組みも標準化しなければなりません。これらの制裁についてもDAO型モデルでは、トップダウンで権力者が一方的にペナルティを課すのでは無く、DAO社会内のメンバーからの相互制裁を浴びる形になるのです。

 これはかつて日本の農村社会で行われた「村八分」の制裁に似ているのかも知れません。

 村八分とは、村社会の秩序を維持するため,制裁として最も顕著な慣行であった絶交処分のことです。村全体として戸主ないしその家に対して行なったもので、村や組の共同決定事項に違反するとか,共有地の使用慣行や農事作業の共同労働に違反した場合に行われます。

「八分」ははじく,はちるの意とも、また村での交際である冠・婚・葬・建築・火事・病気・水害・旅行・出産・年忌の 10種のうち、火事、葬を除く8種に関する交際を絶つからともいわれ、その家に対して扶助を行わないことを決めたり、村の共有財産の使用や村寄合への出席を停止したりする制裁になります。

八分を受けると、共同生活体としての村での生活は不自由になるため、元どおり交際してもらう挨拶が行われますが、これを「わびを入れる」と言うのです。

⑦尖った人財

インフルエンサーの重要性が高まるり、広告の未来は成果型報酬主義になるでしょう。

創造力が求められるメタバースの時代には、尖った人財が陽の目を見せられる時代になります。
優秀で尖った人財が交われる、場の提供やそこから生まれる貴重な財産を有効に利用出来る、柔軟なシステムや仕組み、また豊富なコンテンツのマネジメントを行える人財の登用に力を入れなければなりません。

 人財育成については、社員やスタッフをリーダーとして育てることを心掛けなければなりません。ただし、無償のボランティアでは無く、社員やスタッフから研修費を貰う仕組みにします。
お金を払った見返りとして、スキル、インセンティブ、ランキング等のメリットを獲得する仕組みにしなければならないのです。
 メタバース時代のビジネスモデルでは、イベントが命になるでしょう。

エンターテイメントの主流が海水浴、動物園、遊園地のようにモノに集まる時代からイベントの様なコトに集まる時代になります。

正にクリエイターの時代へと移行して行くのです。そこで重要になるのがMC の役割となるのです。

 ミシュラン三つ星店で有名な鮨さいとうでは、

ミシュランに選ばれる味は最高なのは当たり前なのですが、最も素晴らしいのはご主人の、キレキレで素晴らしい話術なのです。

 その日のお客様達を纏めながら、軽快な話術でお客様達を喜ばせて行くのです。

正に寿司職人の領域を飛び越えてMC の役割をも請け負う総合的なエンターテイナーであり、クリエイターとなっているのです。

 この事例の様に、本業だけでは無く、MC としてのリーダーシップがメタバースのビジネスモデルの中では欠かせない存在となるのです。

⑧広告スタイル

メタバースの時代には個人向けの広告が拡大して行くでしょう。メタバースの外の現実世界では、駅や交通手段自体が広告になるでしょう。

 TVや新聞雑誌での広告から、PCやスマホ、街頭広告でのデジタルデータを駆使した広告に変わって行きます。それに伴いスポンサーから支援、広告収入を得る方法も変わって来ます。
インフルエンサーの存在がより重要となるので、インフルエンサーの活動に紐付いた広告が増えるものと予想されます。

 インフルエンサーやアーチストが身に付けるだけで宣伝になり、彼らの衣服やアクセサリーをクリックすることで、そのまま購入することが出来るようになるでしょう。

 そうなれば広告費は、インフルエンサーやアーチストに直接振り込まれる仕組みになるでしょう。

⑨先行者利得
メタバースの世界をいち早くリードした者が利益を増やし、先行者利得を獲得出来るモデルになるでしょう。したがって、企業は競合者に勝つ為にはスピードアップしなければならないのです。
また、誰がコアテクノロジーを抑え世界標準を獲得出来るのかを、正しく分析評価し、乗っかる相手を選ばなければならないのです。

 ディファクトの取り方は、既に教えましたので、それらを意識しながら、いち早くビジネスモデルを構築して、メタバースの世界でのビジネスを展開して欲しいのです。

 勝ち馬が誰なのかをしっかりと見極めた上で、勝ち馬に乗り、自分も勝ち馬になって行くのです。キャズム前に参入して、イノベーターやアーリーアダプターとなることが最も重要なファクターとなるからなのです。

⑩最後の質問

あなたが考える新しいビジネスモデルとは?

参考文献

ワイズカンパニー 野中郁次郎、竹内弘高

中沢 康彦

星野リゾートの教科書 サービスと利益 両立の法則

岡本 広夫

ユニクロ柳井正―熱いハートを持った超クール経営の実像

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