⑧世界でのディファクトを取れ
世界で支配されて来たディファクトとは
①トロンとは?
TRONとは「The Real-Time Operating System Nucleus」の略です。
TRONプロジェクトは1983年頃、坂村健教授(当時は東京大学助手)が提唱し、開始された日本独自のOS開発プロジェクトです。
日本語でいうと「リアルタイム(実時間)で機器を作動させるOSの中心部分」という意味なのです。坂村教授は、電球から人工衛星まであらゆるモノにコンピュータが入り込み、ネットワークでつながると予想しました。
それぞれの機器に組み込まれたコンピュータの動きを統一するために、無償でOSを標準化させるというビジョンを提示しました。
それがTRONプロジェクトの出発点となったのです。
このような考えは、現在では「ユビキタス」と呼ばれ、その仕組みは「IoT」(Internet of Things:モノのインターネット)と呼ばれて注目されています。
ところが、1989年にアメリカからスーパー301条に引っかかるとして圧力がかかりました。
DSや既得権が足を引っ張るのが世界の裏支配です。
1989年4月21にアメリカ合衆国通商代表部(USTR)が発行した、「外国貿易障壁報告書」にTRONが名指しで記載されました。
1980年代後半は、日本の経済力が急激に伸びた時期で、アメリカとの貿易摩擦問題が発生していました。結局、OSはMicrosoftのWindowsがディファクトを奪い、今日迄独占的な地位を築いて来たのです。
②どのように自由競争を邪魔されたのか?
東芝機械ココム違反事件とは、1987年(昭和62年)に日本で発生した外国為替及び外国貿易法違反事件です。
共産圏へ輸出された工作機械によりソビエト連邦の潜水艦技術が進歩し、アメリカ海軍に危険を与えたとして日米間の政治問題に発展しました。
東芝機械事件の時期が、激しい経済貿易摩擦により特徴づけられることは疑うべくもありません。しかし、最近になって機密指定を解かれた文書は、主流派 の米政府職員が、日本との別の問題で敗北することを恐れて、この事件についての公表を最小限に押さえようとしたことを証明しているのです。
日本叩きは、ハイテクの輸出を押さえつけるためではなく、両国の安全を保障するために、日本との間でより厳格な輸出管理システムを求めたのでした。
米国は出てきた杭は必ず潰しに入るのです。
1980年代後半に日本の半導体が世界トップシェアを押さえ、どうにも止められないほどの勢いにあった時に、米国政府はありえない手に出ました。1986年に、日本半導体製品のダンピング輸出防止を目的とする「日米半導体協定」を締結しました。1987年には、日本製パソコンに対し、報復関税をかけるにまで至ったのです。
きわめつけは、1992年に日本市場における外国製半導体のシェアを20%以上に引き上げることを契約条項に強引に盛り込んでしまったことなのです。
EUは、この2国間の政府協定をGATT(関税貿易一般協定)違反であるとして、激しく反対しました。
日本が台頭してくれば日本を叩き、GATT違反の協定まで作って、日本の成長を阻止するのです。現在では中国が大躍進して来たので、米国は本気で中国ぶっ叩きに出て、国の弱体化を図っているのです。米国に睨まれた中国は、日本が経験した日本叩きをこれから嫌と言うほど思い知らされることになるでしょう。
米国のやり方はいつもいつもこうなのです。
日本の自動車生産が米国を抜いて世界一となった1890年の翌年、ロナルド・レーガンが米大統領に就任し、過剰な軍拡戦争や富裕層減税でアメリカは「双子の赤字」に陥りました。
アメリカは、貿易赤字の元凶とみた日本経済を敵視し破壊する暴挙に乗出しました。
1981年「自主規制」で乗用車輸出を崩し、1985年GATTを無視して通商法301条を適用し日本製パソコンやテレビの関税を100%に引上げ、
「プラザ合意」で急激な円高を強要、日米半導体協定で米国製半導体の輸入を強要し、スーパー301条で対日制裁を強化しました。
日本では積極的金融・財政政策で内需が喚起され「バブル景気」が発生、1989年にはアメリカの象徴ロックフェラーセンターやコロンビア映画を日本企業が買収する事態となりました。
業を煮やしたアメリカは、金融・不動産・流通などGHQ以来の「日本経済の再解体」を決意、FRBのBIS規制と日米構造協議が決定打となって1991年初にバブルは崩壊し日本経済は「失われた10年」に叩き込まれてしまいました。
防衛協力」で散々貢いだ挙句に経済破壊の内政干渉を黙って受入れた中曽根康弘首相は、レーガン大統領との「ロン・ヤス」関係と1806日の長期政権を築いたが、その代償は余りに大きく日本は「2度目の亡国」へ引込まれてしまいました。
③何故、誰も真似が出来ない?
日本では、規制されない分野が意外に多い結果、ガラパゴス文化が花開きました。
特に細かな描写、繊細な感覚、オタクな世界感が日本ガラパゴス文化の特徴になります。
日本のアニメは毎回、物語がつながって進んでいくので、1編たりとも見逃せない中毒性があるのです。毎回の展開が完結している西洋アニメーションと比べ、これもまた日本独特の魅力なのだと考えられるのです。
海外の人にとっての日本アニメは、ちょっと変わったものだったり、みんなが見ているものとは違うものだったりとして存在しているのが現実なのです。特定のアニメ作品を愛するオタク人が世界の様々な所にもいるからなのです。
ディズニーやピクサーは、「広く、浅く」刺さり、日本のアニメは、特定の好みを持つ人たちが好きな作品ごとに「狭く、深く」熱狂する傾向が強いのです。
ディズニーは、最初から世界公開に向けた市場戦略で制作しており、国ごとにある宗教や政治、生活習慣上のタブーを考慮せざるを得ません。
そのため世界共通で受け入れられるように、物語は単純化するのです。
一方で日本アニメは、基本的に国内市場向けを前提に制作されるので、世界を意識したタブーがない分、様々な物語設定が自由に出来るのです。
自由だからこそ、世界の常識では驚くほどの暴力シーンや性描写にも寛容になるのです。
また規模が小さいからこそ、原作者や映画監督の創造性やオリジナリティーが作品に反映しやすい利点があるのです。
また、「ヘンタイ」「エログロ」から「萌え」「ツンデレ」などまでの日本語が、アニメファンには世界共通語になっているように、未成年向けのアニメにも「両刃」の表現方法を多用する日本では、子ども向けと大人向けの境界線があいまいなのも大きな競争力となっているのです。
④発明の嵐
日本のビジネスモデルは、ビジネスを顧客側の視点から始めるので、顧客ニーズに合致するのです。また、細かな改善や発明を繰り返す姿勢と文化がビジネスモデルにも繁栄されているのです。
最もわかりやすい事例は、百円ショップDAISOのビジネスモデルです。
①規模の経済が大事
100円の商品は粗利率が低く、大量生産をしてコストを抑えていかに多く売れるかが肝になるのです。したがって、店舗数や規模数を増やすことが大事になるのです。
②いかにコストカットした運営をできるか?
粗利率が高くならないからこそ、販管費率をどれくらい押さえられるかが肝なのです。
価格を統一することで、在庫の管理や陳列や支払いも効率的に出来るのです。
③消費者のリピート率をどれくらいあげられるか?
100円ショップで買い物する人は値段を気にしないで買うことが出来ます。
雑貨店で1000円を超えるような商品は、値札も見ないでポンポン買える客は滅多にいないけれど、100円ショップでは欲しいものを全部カゴに入れる勢いで買っていくことが出来るのです。
それが弱みでもあり、すぐ飽きられるリスクが生じるのです。同じ商品についてはリピーターが付きにくいので、消費者にウケのある新商品を絶えず出し続けることが大事になるのです。
そしてその先にブランドの支持者・ファンを作ることが大事になるのです。
DAISOは、商品企画から製造、輸出入、物流、販売までをすべて自社で行っているSPAモデルを取っています。こうすることで、商品を大量生産して、在庫管理も徹底して行い、コストカットすることで原価を抑えて、できるだけ粗利を作りつつ大量販売していきます。
一方でセリアの戦略は、ブランドイメージ「Color the Days ~ 日常を彩る ~」
ファッション性が高くてお洒落な商品が100円で手に入るのが1番の特徴です。女性受けしそうな商品開発に力を入れていて、アウトドアグッズなども近年開発したようです。
セリアを好むコアな女性ファンを沢山作ることでリピートさせる作戦なのです。
⑤一番先に世界中に広める方法は?
日本のアニメ文化は、宗教や文化の影響を受け易く表では規制されてしまいがちなのにも拘らず、
「ヘンタイ」「エログロ」から「萌え」「ツンデレ」の様な、アングラテーマは裏ルートであっという間に世界中に広がって行きました。
日本のオタク文化が海外で花開いた顕著な例は、パリ郊外ビルパントで毎年夏に開かれるヨーロッパ最大の日本文化イベント「ジャパンエキスポ」 「世界コスプレサミット」は、世界各国の予選を勝ち抜いたコスプレイヤーたちが名古屋に集結して、パレードや撮影会などのイベントに参加、メインの世界コスプレチャンピオンシップで世界一を決めるイベントになります。
「コスプレ」の呼び名が生まれたのは、東京で毎年2回開催される同人誌即売会「コミックマーケット」です。この通称「コミケ(あるいはコミケット)」こそが、オタク・イベントの原点なのです。
⑥イノベーションジレンマとは?
イノベーションのジレンマ (The Innovator’s Dilemma)とは、巨大企業が新興企業の前に力を失う理由を説明した企業経営の理論なのです。
クレイトン・クリステンセン氏が、1997年に初めて提唱した大企業にとって、新興の事業や技術は、小さく魅力なく映るだけでなく、カニバリズムによって既存の事業を破壊する可能性がある為、排除されがちなのです。また、既存の商品が優れた特色を持つがゆえに、その特色を改良することのみに目を奪われ、顧客の別の需要に目が届かないのです。もともと人々は保守的であり、変化を嫌います。まして自分達が築いた利権が侵されることに強い抵抗を示す傾向があり、変化を潰しにかかる傾向が強いのです。
そのため大企業は、新興市場への参入が遅れる傾向にあり、既存の商品より劣り新たな特色を持つ商品を売り出し始めた新興企業に、大きく後れを取ってしまう傾向にあるのです。
例えば高いカメラ技術を有しているのに自社のフィルムカメラが売れなくなることを危惧して、デジカメへの切り替えが遅れてしまいます。
気付いた頃には手遅れになってしまっていた事例等があるのです。
⑦オンリーワンとは
2002年から2003年にかけて流行った槙原敬之氏作詞作曲でSMAPの曲「世界でひとつだけの花」のなかで使われて、一気に注目された用語でもあります。
「NO.1にならなくてもいい、もともと特別なOnly one」ナンバーワンになる必要はない。自分がなれる限りの最高の自分になるんだ。
君たちには皆、それが何であれ、自分がなりたいもので最高の存在になってほしい。と言う唯一無二の精神を表現したものだったのです。
戦後の日本教育は、「皆と同じことをしなければならない。」「自分勝手に動いてはダメ」「出る杭は打たれる」でしたが、メタバースの時代には、正反対になり、「人と違うことをしなければならない」つまりは、オンリーワンを求める時代となっているのです。
⑧ NFTとは?
昨今NFT市場がバブルの様相を呈していますが、バブルはいつ破裂してもおかしくない状況なので、自分がゲームでババを掴まされないように、冷静で客観的に市場分析を行って行きましょう。
ブロックチェーンデータ会社「Chainalysis」のデータによると、2021年のNFTの取引総額は409億ドル(約4兆7100億円)でした。
トップ9パーセントのビッグプレイヤーが、市場価値の80パーセント、すなわち36万人のNFT保有者が270万個のNFTを保有しているのです。
また、1万ドル(約120万円)以下の小口取引が市場の75パーセント以上のNFTを保有している状況になっているのです。
さらに、アート・バーゼルとUBSが昨年発表したレポートによれば、2020年の美術市場の規模は641億ドル(約5兆4720万円)だったと推定されており、クリスティーズとサザビーズだけでも、昨年のNFTに関する取引額がそれぞれ約1億5000万ドル(約172億円)と1億ドル(約115億円)を記録しているので、NFTの市場規模が伝統的な市場の規模に近づけていることがわかります。
一方で、投資銀行のジェフリーズ(Jefferies)はアナリストノートでNFTの市場規模予測を2022年に350億ドル(約4兆円)以上、2025年に800億ドル(約9兆1000億円)以上に引き上げました。
大企業やセレブ達は「ザ・サンドボックス(The Sandbox)」や「ディセントラランド(Decentraland)」の仮想土地を購入し、デジタルマーケティングや認知度向上、ブランドの展開に力を入れていると同行は指摘しました。
私も子どもの頃から記念硬貨、古銭、記念切手、トレーディングカードやクリスマスプレートを収集して来ましたが、本当にプレミアムが付くモノは一握りで、その他の殆どが価値を生まず儲からないことを胆に命じて置かなければならないのです。
言わば、何でも鑑定団で高値を付ける骨董品の未来デジタル版だと捉えて行くべきなのです。
NFTを扱う際に一番気を付けなければならないことは、インターネット時代にMGAFAがディファクトとなって市場を牽引して来たように、ブロックチェーンの時代には、誰が市場を引っ張るリーダーとなりディファクトを取って行くのかを見極めることが大切になるのです。
現時点では、市場はジェフリー・ムーア氏の『キャズム』理論で言うところの誕生フェーズのイノベーターにあり、サンドボックスやディセントラランドが今後ディファクトを取れるかどうかは未だ怪しいですし、メタ社が市場を牽引出来るかどうかも、かなり怪しい状況なのです。
そんな状況に置いて、NFTに巨額の投資をするのはかなりのハイリスクハイリターンのゲームになりの危険を伴います。
世界的に有名な日本のアニメキャラクターに限定したり、NFTそのものよりもそれらの仲介役のNFTマーケットプレイス側に投資する方が安全なのかも知れません。
NFTが不動産やクリエイターの分野に導入されることで、これらの市場については朗報になります。24時間365日、何時でも何処でも取引が出来ることで、流動性や安全性が格段に向上し、市場価値が高まることが期待出来るからなのです。
とにかく、バブルは何度も弾けながら、市場が拡大する過程にありますので、自分がババを引かないように、上手くゲームを展開して行かなければ危ない状況にあることは確かなのです。
クリエイターとの関係は?
⑨日本はアニメとゲームでは世界最先端?
日本のお祭りの本来の目的は「神様に感謝する」こと。「祭り(まつり)」という言葉の語源も「祀る(まつる)」です。神を慰め、祈願すること、またはその儀式を指し、土着の神様、神道または仏教に由来します。
日本人のお祭りに対する思いを理解する上で重要なのが、「ハレ」と「ケ」の概念。「ハレ」とは「非日常」、「ケ」は「日常」。祭りは「ハレ」であり、華やかに執り行うことで「ケ」をリセットする意味があります。
日本人は、この「ハレ」の機会を楽しみにし、「ケ」の日常を生きる活力の源としているのです。また、お祭りには神様とは関係のない新しいものもあります。例えば、地域おこしのための市民祭り、雪まつりや桜まつりなど季節に由来するもの、時代まつりのように歴史を祝うもの、サンバカーニバルや春節に代表される外国由来のお祭りなど。これらも文化を尊重し、季節に感謝し、人々を繋ぐため、日本に欠かせないものとなっています。
お祭りではハメ外しが許されるので、非日常的な体験が出来、そこから新たな文化や創造が生まれ易い傾向にあるのです。
日本のアニメキャラクターとコンテンツは既に世界標準となっています。
外国人が渋谷のスクランブル交差点を体験すると、まるでお祭りの様だと感じるそうなのです。
確かにお祭りの要素と共通するものがあり、ワクワクドキドキしてしまいます。
メタバースの世界でも、まさに毎日お祭りが繰り広げられ、お祭りが新たな文化に発展して行くのです。
⑩最後の質問
あなたが考える最善のディファクト獲得法は?
参考文献