ノルアドレナリンの放出「契約書よりも信頼」
本日は、子育てを楽しむための「契約書よりも信頼」について、書いて行きたいと思います。
①信頼関係を築ける
「信頼関係を築ける」力があれば将来、投資家達から信頼されて、投資される人になれます。
子ども達を、人様から信頼される人間に育ててあげてください。
私の息子が立ち上げメンバーに加わった会社は、ベンチャーキャピタルからの投資を受けられるような会社に成長することができました。
ベンチャー企業のスタートアップは、資本金が少ないため、周りからはいつ潰れてもおかしくないと思われており、契約書があっても信用され無いような立場なのです。もし会社が潰れてしまったら、たとえ契約で賠償金等の決めごとをしていても履行できない可能性が高いからなのです。
だからこそ信頼関係こそが財産となる世界でもあるのです。
ですから、子ども達が社会で生きて行くには、契約書が無くても信頼されるような人間になって欲しいのです。
私の息子は、野球チームでも影のキャプテン役を買って出て、あいつが言うのだから、それが正しいとチームメイトの方から言わせたり、あいつから頼まれたら仕方がないと、チームメイトに言わせるようにして、チームをまとめてきました。
西洋的な契約社会は、日本人にとっては、機械的で虚しく感じます。
約束を守るのは当たり前なのですから、契約書の解釈云々で、揉めることは、それ以上に大切な人間関係を壊してしまう危険性が高いからです。
契約書は世界においてディファクトスタンダードとなっていますが、日本人にとっては、契約書よりも信頼関係の方がさらにハードルが高いのです。
日本の市場は競争が激しく、顧客志向が強いので、たとえ契約書に書いていなくても、もし問題があれば次々に、要求をされてしまいますし、もしもその対応が悪ければ、最近ではマスコミやネットで炎上し、叩かれることになってしまうかも知れません。一度信用されなくなってしまうと、顧客間の口コミで情報が広がり、取り引先からも、取引を中止されてしまう危険が有るのです。ですから、問題が大きくなる前に先手を打って、リコールや自主回収などの処置を取るメーカーも多いのです。まさに信用そのものが契約書化している世界なので、契約書の文言がどうのこうのではないのです。
もし契約はこうだからと言って、一切顧客の主張を認めなかった時には、その反動は計り知れないことがあるからです。それほど大事な信頼だからこそ、子ども達には信頼される人間に育って欲しいのです。
子ども達の信頼性を育てるには、先ずは両親が子ども達との約束を絶対に破らないことです。
たとえ証拠が無くても、子ども達は絶対に忘れていませんので、どんなに小さな口約束でも、絶対に守りましょう。子ども達が約束を絶対に守ることを覚えれば、「この人に任せておけば大丈夫」と言われるような子ども達に育って行く筈だからなのです。
②信頼こそが契約
子ども達の信頼性を高めたいのであれば、契約の概念と武士道について、子ども達に教えてあげてください。そして、日本では信頼こそが契約書なのだと言うことを忘れずにおいてください。
そもそも契約書とは、簡単に言うと、人と人とがする約束を文章化して残しておく為のモノです。 会社などを「法人」と表現しますが、法人も人として約束をすることができるのです。
物を売り買いする約束は「売買契約」、作ってもらう約束を「請負契約」、何かをしてもらう約束を「委任契約」と表現し、原則が民法という法律に定められています。
「契約自由の原則」という言葉がある通り、基本的には、人と人とがどんな約束をしようとも自由なのです。
一度信頼すると決めたら、とことん信頼するのが日本人の武士道なのです。
武士道では、もしも約束を守れなければ、死を持って償うしかないので、契約書は必要がありません。
そのような考え方が日本には未だに残っています。
それに対して、西洋は契約社会になっています。
大航海時代に象徴されるように、国籍も民族も文化も違う、全く見知らぬ個人が未知の世界に飛び出して行く際には、何が起こるかわかりません。
また、何処に基準を置くべきかもわかりません。
そんな過酷な状況の中で、個人の権利を守る為には、契約書が必要だったのです。
日本の場合には、同一民族、個人よりも全体と言う暗黙の基準がしっかりしていたので契約書が無くても判断がし易いのです。
一方、アメリカ等の西洋では、契約書に書かれていることがすべてなのです。契約書に書かれていることを機械的に処理して行き、もし齟齬が生じれば弁護士を依頼して仲裁してもらうと言う考え方になるのです。私も世界中の人々と契約書を交わした経験がありますが、しっかりと契約書を交わしておけば揉めることがありません。ただしその契約書を守らない国が、一か国だけありました。以後私は、「君子危うきに近寄らず」で、その国へは一生立ち入らないことをポリシーにしております。
信用勝ち取るには何十年も掛かりますか、信用を失うのは簡単で、一瞬にして消え去ってしまうかななのです。
人間はその信用を獲得する為に、毎日コツコツと努力を積み重ね、その積み重ねが信頼へと繋がって行くからなのです。
「継続は力なり」で、継続こそが信頼を勝ち取る為の早道だからなのです。
子ども達の信頼を高める為には、毎日コツコツと継続することの大切さの見本を、両親が見せることです。そして子ども達が手を抜こうとしたならば、上手になだめて、継続の手助けや声掛けをしてあげることが大切になります。
毎日、毎日の生活習慣こそが人を作って行くからなのです。
③本音で語れる
子ども達には、本音で語れる環境を用意してあげてください。
心理学者のアルフレッド・アドラー氏は、子どものころから本音を言えず、周囲の空気を読んで同調することをくりかえしていると、自分を信頼できない人間になってしまうと指摘しています。
自分を信頼できないと、まわりの人のことも信頼できなくなり、社会の誰かの役に立ちたいという思いも芽生えなくなってしまいます。
子ども達にとっては、周囲と同じでなければならないというプレッシャーや、失敗や間違いを気にせず、率直に自分の考えや感情をさらけだせる、自由で安全な場所が必要なのです。
子ども達が安心して「何でも言える環境」をつくるには、
①両親が寄り添う姿勢
子ども達にダメ出しばかりしていると、子ども達は、常に「こんなことを言ったらバカだと思われるのではないか」「こんなことをしたら怒られるのではないか」といった不安にとらわれてしまいます。
両親は、子ども達に完璧を求めず、子ども達のありのままを受け入れ、子ども達が本音を押し殺さないように、寄り添う姿勢で生活することが大切なのです。
②愛情を伝える
子ども達には、「目の前にいてくれるだけでうれしい」「生まれてきてくれてありがとう」という気持ちを言葉やスキンシップで直接伝えてあげてください。
両親からの愛情を、たっぷりと受けることで、子ども達は自他に対して「絶対的な信頼感」を知り、「自律心」も育って行けるからなのです。
③干渉し過ぎない
過干渉は、親が子ども達を心配するあまりつい一方的に「こうしたほうがいい」と思うことを言ったり、余計な手出しをしてしまうことなのです。
過干渉は自立の芽を摘みとり、自主性、主体性を損なうおそれがあるのです。しつけに関しては、やってはいけないことを強く叱ることも必要です。
しかし子ども達は、周囲から「ああしなさい、こうしなさい」と言われてばかりいると、自分のやりたいことがわからなくなって、自分を見失ってしまうのです。
④ネガティブな態度に気をつける
親が批判的・否定的な考えが強いと、子ども達にも伝染し、子ども達は自分自身のことを悪く言われているわけではなくても、自分に自信がもてなくなってしまいます。中でもネガティブな感情こそ、最もうつりやすいので、絶対に言葉に出すべきではありません。
⑤聞き上手、信頼関係の構築
家庭を子ども達の「安全地帯」にして、子ども達が本音で語り、それを聞いてあげられる場所にしてあげてください。
両親が聞き上手になってあげることで、安心と信頼の絆が生まれます。
以上のように、子ども達が、本音を語れる家庭環境を与えてください。
④一貫性
子ども達の信頼性を高める為に、一貫性を教えてあげてください。
一貫性とは、始めから終わりまで方針がブレずに進めていくことを意味しています。一貫性を持つことは、他者から信頼されやすく高評価をされます。
他人から押し付けられて動くのでは無く、自分の強い意思で動くからこそブレないのです。
一方、一貫性のない人は他人の意見に一喜一憂し、不信感を抱かれやすく、低評価になりやすい傾向があります。
一貫性があることは、相手に対して信頼性を与えることができ、信用できる人物として重宝されます。しかし、一貫性を身に着けるためには、毎日の地道な努力が必要になってきます。
一貫性があることのメリットは、
①信頼を得る
考え方がしっかりしていて、決してブレないため、あいまいな答えを出さずに、常に正確な答えを直ぐに出してきます。そのため、周りの人から高評価を得やすく信頼できる人物として、重宝されます。
②何事にも重宝される
ブレない考え方と、自分の行動と発言に責任を持っている為、一貫性がある人は何事にも重宝されます。そのため、相談相手や会社では、責任感のある重要なポストとしての役割を与えられる傾向にあります。
③実績の安定化ができる
やっていることにブレがなく筋道が通っているため、安定して物事を進めていくことが出来ます。
また、何事にも責任をもって行動していくので、信頼を得やすく実績を着実に積み上げていきます。
子ども達の一貫性を高めたいのであれば、先ずは両親が一貫性を持ち続けることが重要なのです。
一貫性を持つことが、いかに安心感を生み出し、生活を心地良いものにするかと言うことを、毎日の生活を通して実感させてあげてください。
どんな問題に直面しても、慌てずに対処出来るようになって行く筈だからなのです。
⑤メールで履歴
子ども達の信用を高めたいと考えるのならば、必ず履歴を残すことを教えてあげてください。
日本人同士であれば、信頼関係が成立している場合が多いのですが、対外国人に対して、又は外人化してしまった日本人に対してはそうは行きません。日本の社会では、今でも無人販売がよくみられ、農家が野菜などを陳列して、買いたい人はお金を入れて帰る仕組みがありますが、外国人には理解が出来ない様なのです。無人で有れば勝手に持って行くし、お金入れが有ればそれを丸ごと持って行くと言う発想が当たり前だからなのです。
残念ながら日本も近年では、外国化をしているので、外国人とのやりとりは、全て日記・手紙・メールで履歴をしっかりと残す習慣をつけましょう。
日本人にとって、約束を破ることは以ての外なのですが、約束してもいないことに対して、約束を破ったと言われては本当に適いません。
証拠を残しておかなければ、自分の身も危うくなる恐ろしい時代になりつつあることを自覚しなければならないのです。
私も外資系の会社に勤めていた頃は、証拠主義を徹底しておりました。毎日、億を超える莫大な金額を動かしていたので、ミスがあったら大変だったからなのです。
外国人との間では、言った言わないのトラブルがよくありましたので、そんな時は証拠を出すのが一番だったからなのです。証拠を出さないと自分の潔白が証明されない状況では、精神的にとても大きなストレスを感じてしまいます。
日本の社会の良い所は、そんなストレスがあまり無いことなのです。
ただし、日本の状況も変わって来てしまっているので、子ども達が信頼されるには、自分の言動に対して、しっかりと記録をして履歴を残すことを教えておきましょう。
普段から、子ども達が日記・手紙・メールで履歴を残す習慣を身に付けておけば、トラブルに巻き込まれることもなく、自分の身を守ることが出来るのです。当たり前の習慣にしておけば、それをストレスに感じることも無いでしょう。
プライバシー侵害の問題が話題になる今日ですが、いつも正しい行動をしていれば、万が一に行動記録等のプライバシー情報が流出公開されてしまっても恐れることはありません。
日頃から、いつ他人から見られても恥ずかしくないような子ども達に育ててあげてください。
⑥最後まで責任
そもそも「責任」とは、自分に任せられた事柄を最後までやり遂げることなのです。
「責任感」の意味は、責任を重んじそれを果たそうとする気持ちのことです。そして子ども達に責任感を理解させたいのなら、責任は3種に分類出来ることも教えてあげてください。
つまりは、
①Responsibility 遂行責任
最初に説明した、最後までやり遂げることで、これが責任の最も大切な部分だと考えます。
責任=やり遂げる力だと言えるのではないでしょうか。
②Accountability 説明責任
任された責任に対して、途中経過や結果を説明、報告することです。
責任が果たされたのかどうかを、自己判断するのでは無く、客観的に判断して貰うことが必要だからです。
③Liability 賠償責任
もし責任が果たされ無かった場合に、どのように償い、賠償するのか決着を付ける必要もあるのです。
以上、3種類の責任に対しての関わり方も、人に寄って下記の3通りタイプが想定されます。
①自分から積極的に責任を果たす。
最も信頼できる人物で、皆がこのタイプの人について行きたいと考えます。
②法律で決められたから従う
決して積極的では無いが、法律に違反すると罰せられるので、責任を果たそうとするタイプ。
このタイプの人が一般人で1番多いと言えるのかも知れません。
③人のせいにして責任から逃げる
信頼され無いタイプの人間です。
トラブルになるので、皆が近寄りたく無いタイプです。
子ども達に責任を持たせたいのならば、先ずは責任の意味を教えてあげてください。
途中で、投げ出してしまうことこそがいけないことだと言うことなのです。たとえどんな小さな事や習い事に関しても、始める前に最後まで続けることを約束してから始めさせてください。その為に見学会や体験授業があるのです。やってみてダメならば辞めさせると言う両親の安易な考え方こそが無責任そのものだからなのです。
⑦投資を受けられる人
「信頼関係を築ける」力があれば将来、投資家達から信頼されて、投資される人になれます。
投資家が投資をするかどうかを決定する際のポイントには、もちろん事業の将来性、独創性、利益性も重要な要素ではあるのですが、最終的には事業推進者への信頼性が決め手となるのです。
この人間ならば大丈夫、この人間ならば賭けてみたい、この人間に惹かれてしまうと言うのが、投資の決め手となるのではないでしょうか。
いくら契約書や約束で縛っても、結局はその人間がやり遂げられるかどうかになるので、手続きはあまり意味を成さないからなのです。
信頼が出来る人間と仕事をしていると、不安や心配が無く、ポジティブに仕事を進めることが出来ますが、そうでないといつも不安や心配を抱えてストレスで胃がキリキリとしてしまうことになるのです。
信頼される人間は、先ずは自分を信頼し、決してブレることがありません。自分に自信がない人間は直ぐにブレてしまい、的外れな行動をしてしまうのです。
子ども達を、是非とも他人から信頼される人間に育ててあげてください。
その為には、毎日の生活でも自分を信頼出来る言動や行動を行い、ブレない習慣を付けて欲しいのです。もし少しでもブレそうなことがあれば、両親からも厳しく指摘をして、軌道修正をさせることが大切になるのです。