ノルアドレナリンの放出「思いやりの心」

本日は、子育てを楽しむための「思いやりの心」について、書いて行きたいと思います。

①他人を思いやれる

 思いやりの心「他人を思いやれる」力があれば、将来、道具を大切に扱える人になれます。
 私は息子に、思いやりの気持ちを持てるように躾て参りました。その結果として、人に思い遣りを持てる人間に育ちました。
 思い遣りの気持ちは、人に対してだけではなく、野球の道具を大切に扱うことや、施設や周りの環境に対しても思いやりを持って対処できるような人間になりました。
 また、おもてなしの心も、日本人だからこそできる強みです。
 日本人が安全な環境で、毎日安心して生活できるのは、このような心遣いができるからです。
 街中では、すれ違いざまに、お互いに避けあう、傘をさすときにお互いに気を遣う、「江戸しぐさ」という習慣は、まさに粋な江戸っ子にとっては常識でした。現代では、ドライバーが他人の車に道を譲ってもらったなら、ハザードランプや、パッシングや手をあげてお礼の合図をする行為は、生活を円滑にするための貴重なマナーとなっています。
 たとえ法律で明文化されていないルールでも、しっかりと守れることこそが、日本人であることの証しなのです。
 ところで、日本人の良さは他人を思いやれるところにあります。
おもてなしができるのも、相手に対しての思いやりがあってこそなのです。東日本大震災の時にも、海外から絶賛されたのが、災害時に掠奪やドロボーが出ず、配給には真面目に並んで順番を待つ文化なのです。
 本当に困って、自分も苦しい時なのに、人のことまで思いやれるその心の広さが日本人の良い所なのです。
 私達はそのような心を、子ども達の世代にも伝えて行かなければなりません。
 シーソーという乗り物が、最近の公園には見られなくなってしまいましたが、シーソーは思いやりの気持ちが無いと成立しない遊具です。シーソーは17世紀に欧州で始まった遊具なのですが、とても日本的な遊具だと私は思います。一方だけが主張するのでは重い方に傾きっぱなしで止まったままになってしまいます。
 相手への思いやり、おもてなしこれが日本人の一番良い所なのです。日本人が長生きする理由も、ソーシャルキャピタルといわれる、支え合う社会が存在するからなのです。
 相手のことを思いやれる人間は、暴言を吐いたり、人を虐めたりすることもありません。
最近のネット社会でのディスり、汚い言葉や他人を侮辱する言葉には目を覆うばかりのモノがあり、日本人の大和魂が失われつつあるという危機感を感じてしまいます。
 多くの日本人が大和魂を取り戻し、子ども達に思いやりの心が育てば、ネット社会においても、正しい言葉で、正しい議論が行われるようになり、正しい秩序も保たれて行くようになると信じています。   
 子ども達の思いやりの心を育てるには、日本人の歴史や大和魂を教え、平和に過ごせることに感謝をして、毎日生活をする習慣を身に付けさせてあげてください。

 子ども達の思いやりの心を育ててあげたいのならば、毎日、思いやりの溢れた生活を送るように心掛けてください。
子ども達への具体的な教え方
①相手の気持ちを一緒に考える
人を思いやるには、「相手がどのような気持ちか」を考える力、共感できる力が必要です。
しかし子ども達にとって、自分以外の他人の気持ちは簡単に理解できるものではないため、保護者が少しずつ教えてあげる必要があります。
まずは、自分の気持ちを客観視できるような声かけをしてみましょう。「あのときはどんな気持ちだった?」「どうして譲ってあげられなかったのかな?」等です。
そして、他者の気持ちを想像させましょう。「あの子はどんな気持ちだったと思う?」「こんなことを言われてあの子はどう思ったかな?」など、こうした問いかけによるコミュニケーションが、相手の気持ちを感じとる練習になるのです。
②遊びを通して思いやりを育てる
働く父親の姿を真似してみたり、赤ちゃんを育てる母親、先生やヒーローになりきる「ごっこ遊び」は、他人の気持ちや挙動を考えなければ演じられません。
絵本を読めば、登場人物の気持ちに寄り添うことを覚えて行きます。また、「こういうことをしてはダメ」ということを知ります。
その遊びが思いやりを育てているのだとわかれば、親子一緒に笑顔で楽しめるのではないでしょうか。
③ものを大切にすることを教える
人だけでなく、動物、食べ物、草花、すべてのものに「感謝」の気持ちをもたせることも大切です。
あらゆるものが溢れかえり、蛇口をひねれば水がいくらでも出る豊かで恵まれた現代だからこそ、モノに対するありがたみを感じにくくなっています。
「いただきます」「ごちそうさま」を必ず言う習慣を徹底し、食事に感謝しましょう。
また、自分より小さな動物を大切に扱いましょう。モノを大切にすれば、他人の大切なものや、他人の気持ちも大切に扱うようになります。
④相手のやりたいことと組み合わせる
こちらがやって欲しいことをそのまま伝えても、子ども達にそうする気持ちがなければ、心には響きません。でも、子ども達が自分でもやりたいことと上手く組み合わせれば、逆に喜んで行動してくれます。
たとえば、「10時になったら出かけて欲しい」母親に対して、子ども達は「新しいポケモンTシャツを着て出かけたい場合は、「10時になったら、新しいポケモンTシャツを着て出かけようよ」と声をかけてみます。
⑤時間を守ったら結果をイメージさせる
母親が何気なく言ってしまうのが「もう学校の時間だから行きなさい。間に合わないよ。」でも、これでは急がされるだけで学校に行こうという気にはなれません。そこで、学校に行けば、どんな楽しいことが待っているのかをイメージさせるような声がけ、例えば「お友達が教室で待ってくれているよ」
「昨日のアニメ番組の話が出るかもね」
「今日、一緒に遊ぼうとと思ってるんじゃないかな 」等です。
⑥時間を守らなかった結果をイメージさせる
逆に、時間を守らなかったらどうなるのかイメージさせるのもよい方法です。一人だけ遅刻して教室に入れば、「皆からの視線を浴びてしまう」「友達からどうしたの?と質問攻めに合う」「提出物が遅れて先生に怒られる」。時間通りに行かないと恥ずかしいな、あとで友達にいろいろ言われるな、怒られたくないなと思えば、子ども達は自然と時間を守るようになります。
子ども達はまだ幼いので、目先のことしか考えられません。大人のように自分の行動がどんな結果を引き起こすかを前もって考えて行動することはできないのです。ですから、少し先の見通しを教えてあげて、自分がいま何をすべきか考えさせてあげるとよいでしょう。 
 子ども達の思いやりの心を育てるには、思いやりが無いと、毎日の生活がスムーズに行かないことを実感させ、反対に思いやりの心を持って生活すれば、毎日が楽しくなることを実体験させてあげましょう。毎日の生活が、きっと楽しくなり、同時に思いやりの心も育って行くことでしょう。

②江戸しぐさ

子ども達の思いやりの心を育てたいのであれば、是非、江戸しぐさを教えてあげてください。
江戸しぐさとは、江戸商人のリーダーたちが築き上げた、上に立つ者の他人への思いやりの心を示す行動哲学だと考えられています。
 江戸しぐさはマナーとして受け継がれたものであり、文献等では無く口伝で受け継がれてきたものであるため、存在そのものを否定される場合があります。しかしながら歴史的な文献云々には関係無く、日本人が美徳として来た価値観そのものなのだと私は考えます。
 江戸時代にも人口が密集し、先端都市であった江戸の中で、皆が気持ち良く生活する為の智慧であって現代でも、改めて学ぶ価値があるものだと信じています。
江戸しぐさの事例
①傘かしげ
雨の日に道ですれ違う際、お互いに傘を外側に傾け、相手が濡れないようにすること。
同じ東洋人でも日本人以外には、すれ違うことが難しい為、外国人は渋谷のスクランブル交差点に感動してしまうのです。
②肩引き
道で人とすれ違うとき、外側の肩を引き寄せて身体を斜めにしてすれ違うこと。余計なトラブルを起こさないように、前もって対策をするのが日本人の美徳なのです。
③もったい大事
「もったいない」の精神で、物を大切に、再利用しながら最後まで使うこと。日本人はモノづくりだけで無く、修理をする能力も世界一だと私は信じております。
④時泥棒
アポイントなく相手を訪ねていったり、約束の時間に遅れるなど相手の時間を奪うのは重い罪だと言う考え方です。現代では、時間の価値がさらに高まっているので、この考え方は重要です。
Time is more than money.
⑤七三の道
道の真ん中を歩かず、端三割を歩いて、残り七割は他の人のために空けておくこと。
思いやりの考え方そのもので、素晴らしい。
⑥こぶし腰浮かせ
船などで後から人が来たときに、こぶしひとつ分腰を浮かせて席を詰めること。
⑦逆らいしぐさ
「しかし」「でも」など言い訳がましく、逆説の単語を使わないこと。
⑧喫煙しぐさ
禁煙の場所でなくても、非喫煙者がいる場所では喫煙をしないこと。禁煙に厳しい現代では尚更です。
⑨うかつあやまり
こちらに非がなくても、「こちらがうかつでした」と謝ることでその場の雰囲気を良く保つこと。
トラブルを避ける為の優れたマナーです。
外国では謝ったら自分の責任になるからしない。
⑩束の間のつき合い
初対面で船などでたまたま同席しただけの相手にも、挨拶をして会話を楽しむこと。
一期一会と言う良いことわざが日本にはあります。
①①念入れしぐさ
戸締まりや火の元など、念には念を入れて確認・行動すること。一度家事を出すと周りの家にも炎上さして迷惑を掛けることになるので、皆の為に自分もしっかりしなければなりません。
①②おはようにはおはよう
挨拶をされたら挨拶を返すということ。
挨拶に始まり、挨拶に終わるのが武士道流のれいぎになります。
①③お心肥やし
他人だけでなく、自分の心も常に豊かでいるよう心がけること。豊かな心や豊かな生活が皆にも波及効果をもたらすのです。
①④陽に生きる
太陽に向かって前向きに、プラス思考で生きるということです。ポジティブな態度が周りも明るく、ポジティブにさせるので元気の源になります。
①⑤横切りしぐさ
人の前を通るときに、手刀を振って通ること。
車でも道を譲って貰ったらパッシングでお礼をすることで、皆が気持ち良く、トラブル無しで生活することが出来るのです。
 子ども達の思いやりの心を育てたいのならば、
江戸しぐさのような、皆が気持ち良く過ごせる習慣を生活の中に積極的に取り入れて、トラブルを未然に防ぐ努力を続けることを、教えてあげてください。江戸東京博物館でも学ぶことが出来ますので、是非訪ねてみてください。

③おもてなし

子ども達の思いやりの心を教えてあげたいのならば、おもてなしの仕方を身に付けさせてください。おもてなしとは、心のこもった待遇のことです。
お客様に対して、心をこめて歓待や接待やサービスをすることを言います。「もてなし」に「お」をつけて、丁寧にした言い方なのです。
おもてなしの言葉が周知されるようになったのは、2020年東京オリンピック招致の際に、滝川クリステルさんが日本ならではの「おもてなし」をキーワードにしたプレゼンテーションをしたことがきっかけの一つと言われています。
おもてなし5原則とは、
①挨拶
おもてなしの基本は「挨拶」です。日本人は挨拶のときに、つい何度も頭を下げてしまうことがありますが、一般に、お辞儀の角度は15度、30度、45度の3つに分けられます。15度は会釈、30度は敬礼(普通礼)、45度は最敬礼と呼ばれています。
相手と状況に応じてお辞儀をすることが大切です。美しく、丁寧な挨拶とお辞儀こそが外国のお客様にも好感をもって受けとめられる応対の基本なのです。
注意点は、
正しい姿勢で立つこと、笑顔で相手の目を見ること、上体を倒したところでひと呼吸止めること、
上体をゆっくり起こし、もう一度相手の目を見ることです。
②表情
おもてなしに欠かせないのは、笑顔と親しみ易い表情です。
緊張感が窺える硬い表情、不自然でぎこちない表情では、相手に警戒心や不安感を抱かせてしまう場合が多々あります。
また、人柄や感情が顔付きに出ることも心しておかなければなりません。
人と接する時に、自分が出来る表情と笑顔にどのようなものがあるかを自覚することも必要です。
表情や笑顔は、「上半身を相手に向けること」
で生かされる、と言うことを強く意識しておきましょう。
 とにかく笑顔、なんでも笑顔ということではなく、お店のコンセプトやそのときの状況に合わせることも大事で、相手やお客様の立場で自分の表情をどう感じるかを想像してみましょう。
③身だしなみ
お洒落とは異なり、身だしなみの目的は「相手に不快感を与えないこと」なので意識は自分では無く「相手」に向ける必要があります。
 お仕事に適した服装、アクセサリー、誰が見ても不快に感じない髪色など、全員の身だしなみが整っていることが大切で「統一美」が生まれます。
 それがお客様の無意識に働きかけて「安心感」にもつながり、心が穏やかになるものなのです。
④言葉遣い
注意点としては、馴れ馴れしい言葉遣いはしないこと、お客様にしっかり届く発声を意識すること、
正しい敬語の使い方を理解すること、言葉の意味を理解して、感情を込めること、業界の専門用語は使用しないこと、お客様目線にたって言葉を使用することが大切です。
⑤立ち振るまい
「立ち居振る舞い」とも言われ、ごあいさつ、歩き方、立ち方、座り方、戸の開け方などについての作法になります。
 お店の場合には、これらに加え、お掃除の仕方、話し方、給仕から下げの動作、従業員同士の会話、お客様の履物や上着のあつかい、お見送り、そして笑顔も含まれます。従業員さん同士のやり取りを、お客様は意外と見ているものです。
 全員の「共通の意識」を明確な言葉にして、お店にいるときは常に心がけましょう。
 子ども達に思いやりの心を教える為には、おもてなしが何であるかを体験を通して教えてあげましょう。そして、おもてなしを受けた時の心地よさを体験したならば、自分も相手の気持ちになって、その気持ちを返してあげることが出来るようになるまで、教育してあげましょう。 
 きっと日本人であることに誇りを持って生きて行けるようになれる筈だからです。

④情緒安定

子ども達の思いやりの心を育てるには、子ども達の情緒を安定させなければなりません。
その為には、家族全体の情緒が安定していなければならないので、先ずは両親が情緒を安定させていることが大前提となるのです。
 情緒を安定させるには、マズローの欲求の五段階説によるところの、低位レベルの欲求を満たした状態で余裕ある生活を送っていることが望まれます。
即ち1番低次元の「生理的欲求」から「安全の欲求」「社会的欲求(所属と愛の欲求)」「承認欲求」あたりまでは、最低限度まで満たしておかなければならないのではないでしょうか。
その為に必要な具体策は、
①規則正しい生活、
毎日行うべきことをルーティン化しておけば、起きる時間、朝食の時間、昼食夕食の時間、寝る時間を正確に規則正しく過ごすことで、何をするべきかいちいち考えたり、突然の出来事に慌てたりすることが無くなり、余裕を持ってリラックスすることが出来るようになります。
②ホルモンのバランス、
食事内容や栄養にも気を配り、睡眠をしっかり取ることで、ホルモンバランスが安定するので、情緒不安定にもなりません。ドーパミンサイクルが備わっていると安定しやすいです。
③ストレスに強くなる
日頃から、何事にも我慢強く耐えられる精神力を鍛えておけば、ストレスをストレスと感じ難くなり、プレッシャーも跳ね返せるようになるのです。
④感情をコントロール出来る
物事に一喜一憂するのでは無く、冷静かつ客観的に物事を判断する力を付ければ、慌てることなく、何事も無かったかのように、行動が出来るようになれるのです。
⑤ポジティブで動じない
たとえ失敗したり、上手く行かなくても、前向きに考えて、笑顔で行動して行けば、ピンチも乗り越えることが出来るので、精神的に追い詰められることもありません。
⑥愛情あるコミュニケーション
もし仕事が忙しいのならば、たとえ短い時間でも良いのでその分、愛情溢れる中身と密度の濃いコミュニケーションを子ども達にしてあげてください。
 一緒に宿題や勉強やニュースに対して考えること。
読み聞かせをしてあげること。1日の様子を質問して対話をしてあげること。笑顔でハグしてあげること、頭を撫でてあげたり、お風呂で体を洗ってあげたりして、直接情熱が伝わる方法でのコミュニケーションをしてあげることが、1番大切になるのです。
 子ども達の思いやりの心を育てる為には、豊かな家庭環境を用意する必要があるのです。
 笑顔と豊かさが、情緒を安定させて、健康で実りのある人生を切り拓く力になって行くからなのです。

⑤無償の愛

両親が1番先にしなくてはならないことは、子ども達を愛することではないでしょうか。
 それも代償や見返りなどを求めない愛、つまりは無償の愛でなければなりません。
 無償の愛は、子ども達からの見返りを求めたり、期待したりすることは一切なく、ただ自分から愛を与えるだけということです。
ですから、ギブアンドテイクでは無く、ギブアンドギブで、やるのが当たり前、たとえ自分が犠牲になっても構わない、子ども達を信じて、他人と比較したりせず、失敗しても広い心で支えてあげる精神なのです。
無償の愛を育てるには、
①ケアをする
子ども達の毎日の生活をしっかりとモニタリングして、縁の下の力持ちとならなければなりません。
もし子ども達の様子がおかしければ、声を掛けて、様子を伺って、その都度に必要なケアをしてあげる必要があるのです。
②責任を持つ
無償の愛だからと言って、責任が無い訳ではありません。たとえ自分が先に亡くなっても、最後までしっかりと見届ける覚悟で責任を背負って対処してあげましょう。
③尊敬する
親子の垣根を超え、ひとりの人間として、人生を共にするパートナーとして尊敬し合いましょう。
 私は親にちゃんと愛されなかったと考える両親もいますが、大丈夫なのです。両親もこれから、子ども達と一緒に自己肯定感を育てていけばいいのです。ワクワクドキドキを子ども達と共有していきましょう。
④理解する
子ども達のことを良く理解してあげましょう
子ども達自身が、自分で自分自身を理解し、自分が好きかどうかもわかりませんが、少なくとも自分を大切にし続ける努力はできる筈なのです。
自分のこういうところは嫌いだけど、それでも大切にしようと思えるように、アドバイスをしてあげてください。
以上4つのバランス感覚を意識して、自分は子ども達にどんなことができるのか見つめ直すことが大切なのです。そうすれば、子ども達は、親からの「愛の教育」を通じて愛すること、自分を大切にすることが実践できるようになります。

⑥道具のメンテ

子ども達に思いやりの心を育てたいと考えるのなら、人だけではなく、道具に対しても思いやり、もし壊れてしまっても、修理をして最後まで大切にすることを覚えさせてあげてください。
「道具を粗末にする人は一流になれない。」
これは、元メジャーリーガー、イチロー氏の名言です。イチロー氏は、たとえ負けた試合でも、試合後のロッカールームでグラブやバットなどの道具をピッカピカに磨くことを日課にしていました。
良い仕事をするには、いつもトラブル無くスムーズで快適に仕事をする為には、良い状態の道具が必要だからなのです。一度バットを投げてしまったことがあるそうなのですが、とても嫌な気持ちになり、それ以来は絶対にやらないと決めたそうなのです。
 作ってくれた人の気持ちを考え、またたとえモノでも、そのモノの立場を考えたならば、するべきではありませんし、そんなネガティブなエネルギーは周りにも悪影響を及ぼし、巡り巡って自分に返って来てしまうからなのです。
 武士道でも武士は刀等の道具を大切にしましました。刀は自分の命を守る大切な道具であり、武士の象徴であり、武士の魂そのものだからなのです。
身の回りのもの全てに魂を込めて生きる姿勢を貫くことこそが重要だと言うことなのです。
 ところで、日本人はモノづくり世界一と言われていますが、作るだけではなく、修理をするのも世界一だと言われているのです。日本には、もったいない、モノを大切にすると言う伝統があるので、修理をする需要があり、また上手に修理をしてくれる職人さんがいるからこそ、そんな文化が定着しているのだと考えます。街には多くの修理屋さんがあるので、修理に出せばまた使い続けることか可能になります。専門家に頼まなくても、自分の力で修理をすることも大切なのです。修理をして改めて、その道具の素晴らしさを感じ、感謝して、また大切に使い続けようと言う気持ちが沸くからなのです。
 テレビ番組の「大改造!!劇的ビフォーアフター」では、古くて使い辛かった我が家が、職人の手で、全くの新品で別物のように素晴らしい姿に生まれ変わる感動を届けたり、芸術家が古い国宝作品を修復して素晴らしい姿に復活させる様子は、感動ものです。モノを大切に使い続けようとする気持ちそのものか大切であり、その気持ちを当たり前のようにして毎日の生活の中に取り入れて行くことが重要なのです。
 子ども達に思いやりの心を育てる為に、道具を大切にして、もし壊れたら修理をして最後まで使い続けることを是非、教えてあげてください。

⑦思いやりのある優しい人

 思いやりの心「他人を思いやれる」力があれば、将来、道具を大切に扱える人になれます。

 思いやりの心は、人に対してでは無く、地球上の全てのモノに対してもはたらくので、身近で使う道具に対しても、まるで体の一部のように大切に扱うようになります。

 道具がまるで生き物であるかのように、丁寧に愛情を込めて使い、使った後には、心を込めてメンテナンスを行う事が当たり前になるのです。

 道具にまで愛情を込めて対応出来る人間は、当然ながら人に対しても繊細な心を込めて対応する事が出来るので、相手からも信頼を持って対応して貰う事が出来るのです。

 その心は全てに対して現れるので、美しい身なり、美しい言葉、美しい態度、美しい動きとなって表現されるのです。

 だからこそ、思いやりの心は全てにおいて大切になるのです。

 そして思いやりの心は伝わり易く、伝染もし易いので、両親が思いやりの心で毎日生活すれば、自然と子ども達も真似をして、思いやりの心を持つことが出来るようになる筈なのです。

是非とも子ども達の思いやりの心を育ててあげてください。

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