CBDの市場

CBDとは、Cannabidiol(カンナビジオール)の略称のことです。 CBDは、大麻から採れる成分の一種で、米国では、てんかん用医薬品として2018年6月に販売承認されました。日本国内でも2019年に一部の医療機関で治験を開始しています。
不眠症の緩和や皮膚の抗炎症を緩和し、自己免疫疾患やアレルギー性疾患など免疫の過剰反応による症状への作用も期待されています。
美容分野でもCBDは注目されており、日本化粧品協会によると、抗酸化作用、抗炎症効果、ニキビ、皮膚炎アレルギー、アトピー、やけどなど皮膚への様々な作用が期待されています。
日本では大麻は、麻薬の一種として法律で禁止されていますが、CBDの使用は合法なのです。
また、鳥のえさや七味唐辛子の中に含まれている麻の実は、加熱処理を施すことで合法的に販売ができます。
これと同様に大麻草由来であっても日本で販売されているCBDは、厚生労働省・検疫所に成分分析表・製造工程表などを提出し、成熟した茎や種子を原料としていることを証明されているため合法で販売することが可能なのです。
大麻には、数百種類のカンナビノイドが含まれており、大別するとCBD(カンナビジオール)とTHC(テトラヒドロカンナビノール)の2つがあります。
日本国内で薬物中毒者のイメージである「摂取するとハイになって多幸感あふれ、中毒症状を起こす」成分はTHCで、日本で麻薬に指定されている禁止成分なのです。
大麻取締法は、1948年にGHQの指令で作られましたが、長い日本の歴史の中でも禁止されるようになってから、まだ約80年程度でしか経っていません。
WHO(世界保健機関)は、2017年に「CBDは非常に安全で、幅広い容量で忍容性が良好である。公衆衛生上の問題も濫用の危険性もない」と認めています。
CBDは脳に働きかけ、鎮静化作用と深いリラックス作用が得られます。
また、神経に直接作用し、セロトニンやドーパミンといった神経伝達物質に対して反応するため、慢性的なストレスの緩和にもつながります。
気分が高揚するハイ状態や、中毒性はCBDにはありません。
人間の体内には、本来自分の身体を調節する機能である、エンド・カンナビノイド・システムが備わっています。
このシステムは、ニューロンや神経経路、受容体など複数の分野から成り立つ複雑なネットワークで、人間が生活していく上で欠かすことのできない機能なのですが、ストレスや老化に伴ってカンナビノイド欠乏症になると、これが上手く機能しなくなり、様々な疾患になってしまうのです。
ですから、カンナビノイドを服用することで、欠乏症を解消し、病気の予防が期待できるのです。
世界のカンナビジオール(CBD)市場は、2022年現在は36憶米ドルの市場価値があり、2030年末までに114憶米ドル、22%のCAGRの拡大が予測されます。
北米が35%の収益シェアで市場を支配し、これからも市場での主導的地位を維持し続けます。
北米では、健康志向の人々の存在、CBDベースの製品の受け入れの増加、主要メーカーの存在、2020年の米国農法案の可決が、この地域の成長を推進する主な要因になっています。
アジア太平洋地域では、特に中国で大麻生産プラントの設置により、市場は予測期間中に最も速い成長を経験すると予想されます。
中国はアジアで最大の大麻栽培国であり、世界のほぼ半分の大麻を生産しています。中国大麻の約90%が米国、ドイツ、英国、オランダ、日本に輸出されており、カンナビジオールの抽出のために3つの州で大麻が栽培されています。
中国政府の政策、カンナビジオールの製造コストの削減、および独自の大規模な製造経験とインフラストラクチャは、米国、カナダ、および欧州連合に対して、激しい競争になると予想されます。
今後は、いくつかの企業が革新的な製品を発売し、さまざまな地域や分野でも事業を拡大して行くことになるでしょう。

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