インターナショナルスクールに入れてはならない理由
先ず最初にハッキリさせておかなければならないことは、インターナショナルスクールと言うネーミング自体に嘘があることなのです。
つまりは、本物のインターナショナルスクールと偽物のインターナショナルスクールが存在していると言うことなのです。そして入れてはいけないのは、もちろん偽物のインターナショナルスクールのことなのです。
もともと、インターナショナルスクールと言うのは、海外から日本に赴任して来た外国人が通わせる為のレベルの高い、本格的な教育理念とカリキュラム、優秀な先生が教える学校のことなのですが、今ではその上辺を真似して単に英語で授業を行うだけの、なんちゃってインターナショナルスクールまでが、インターナショナルスクールを堂々と名乗っていることこそが問題であり、その数が驚くほど増えてきていることなのです。
本来のインターナショナルで学ぶ魅力は、三つ挙げられます。
一つ目が学び方です。
英語で学ぶことで、英語力はもちろん、インターナショナルスクールの多くが古くから取り組んでいるバカロレア等の探究的な学び身に付きます。
二つ目が多様性です。
スクールによって、教職員や生徒の国籍は違いますが、国内外で生まれ育った子ども達が一緒になって学ぶため、多様な価値観を尊重する校風があげられます。
三つ目が、その後の進路です。
英語で学ぶ力があるため、国内外の大学などから、自分の興味に応じて幅広く進学先を選ぶことができます。
ところが、なんちゃってインターナショナルスクールではそうはなっていないのです。
そんな学校に通わせてしまう親の特徴は、
①実は、英語コンプレックス
英語を習わせる目的が曖昧で、
100万円もする高価な教材を買って自己満足してしまうタイプ
②我儘でルールを守れない
子どもに躾をすることが苦手
③放置教育の思考
預けてしまえば良いと言う考え方で、自分の手で一緒に学び育てると言う、教育の本質がわかっていないのです。
その結果として、子ども達を英語も日本語も中途半端な、世の中で通用しない人材にしてしまうのです。
なぜならば、子ども達が英語、コミュニケーション能力不能にしてしまい、またルールが守れ無い、躾をされていない人間に育ってしまうのです。
①日本語は世界でも最も難解な言語のひとつ
日本語は象形文字である本来の漢字に、さらに日本的な深い意味や情緒を持たせて、同じ漢字でも本来の読み方である音読み、日本語の意味を持たせた訓読みの漢字、更には漢字を補う意味でのひらがなと、外来語を表現する為のカタカナを加えて複雑な構成になっているのです。
会話をする際の日本語も、結論がわかりやすく英語のように明快なロジックの文法では無く、周りくどい表現に適した言葉になっているのです。そんな難しい日本語を習得する為には、当然ながら他の言語よりも多くの時間と労力を必要としても不思議は無いことなのです。日本人の平均IQスコアが世界トップクラスなのは、難しい日本語を学んでいるからとも言われているのです。
日本語もしっかりとインプット、アウトプット出来ない状態で、いきなり言語が2つになったなら子ども達はどうなってしまうのでしょうか?
もし相手が言っている意味が分からなければ、聞かなかったことにしてしまい、何と答えて良いのか分からなければ、喋らなくなってしまうのです。また会話が理解出来なければ、脳が混乱して、コミニュケーションのスピードは当然ながら遅くなってしまうものです。言葉が理解出来無いので表情を読んで判断している子ども達が多いのが特徴で、吃音気か話せ無い子ども達もかなり目にするのです。
先ずは日本語でしっかりとした会話が出来るように育てることこそが最も優先順位が高い課題なのです。
②2倍の努力と労力が必要
野球の世界では投手や打者を両方やる二刀流や右でも左でも打席に立つスイッチヒッターがおりますが、大谷翔平選手は誰よりも練習熱心で努力家なことで有名ですし、スイッチヒッターとしてメジャーリーグでも活躍した、松井家頭央氏は、スイッチヒッターを維持する為には右打席と左打席それぞれの練習をしなくてはならないので、結果的に2倍の練習をしていたと発言しています。
語学も同じなのではないでしょうか?
日本語も英語も出来ると言うことは、語彙力が2倍必要になると言うことだからなのです。
インターナショナルスクールの生徒達は、日本語の語彙数もまだ少ない状態で、いったいどのようにして語彙力を増やせるのでしょうか?
単純に言えば、人よりも2倍の会話時間や読み聞かせの時間が必要になるのではないでしょうか?
世界一難しいと言われる日本語を学ぶ時間を確保しなければならないので、最も重要な時期に、2倍の言語を習得する時間を取れる能力と余裕がなければならないのです。
そんなことが出来る家庭は多く無いでしょうし、むしろ特別な存在なのではないのでしょうか。
それ何処か、インターナショナルスクールで勝手に子ども達を育ててくれると言う幻想を持ってしまう人任せの態度自体が、とても危険なことなのです。
③教育者としてのレベル
そもそも日本人の平均IQスコアが世界トップクラスと言うことは、英語を話す多くの国よりも教育のレベルが高いと言うことなのです。
私も外資系の企業に長く働き、世界中の人々と仕事をして参りましたが、日本人ほど質が高く優秀な民族は珍しいのです。
そのような日本で教育された先生と、海外から日本に来た先生のレベルを比べた場合に、どちらの先生のレベルが高く、質の高い教育を受けられるのか、冷静に考えてみることも必要なのです。
少なくとも先生の学歴や経歴をチェックして、安心して任せられることを事前に確認しないと、とても危ないと思います。
低レベルの教員や友達と学んでも、身に付くものは少ないと考えるからなのです。
④日本人のしつけと習慣
日本で生きて行く以上、日本人として重要なしつけや習慣の教育を受ける必要があると考えます。幼少期は、それらのしつけや習慣を身につける最も重要な時期でもあるので、とても大切な時間を過ごしているのです。
事実、幼稚園や保育園のしつけや教育の差により、小学校に入ってからの子供達の生活態度に大きな違いが生じることは、我々が教育の現場で強く感じていることなのです。
幼稚園や保育園の教育方針や指導で、一生が左右されてしまうかも知れないと、真剣に考えてみて欲しいのです。
様々な私立小学校の校長先生とお話しをしてわかったことは、英語教育に力を入れている学校ほど、なんちゃってインターナショナルスクールの生徒を嫌っています。それは、日本語も英語も中途半端で、先生の指示も聞けないからなのです。
インターナショナルスクール出身だと、自慢ながらで面接を受けると大変な結果になってしまうのです。
国際化が激しく進行している現代を生き抜く為に、子ども達に英語を学ばせてあげたい親心は、大変良く分かるのですが、安易にインターナショナルスクールに入れてしまうと、言語障害を起こし、取返しが付かなくなる危険性もあるのです。
以上、もしお子様をインターナショナルスクールに入れる際には、ご両親がご家庭でも2倍の努力と時間と愛情を掛けてあげる認識と覚悟を持って臨んでいただきたいと思います。
我々は現場で、言語障害ほぼ手前にまで至ってしまった生徒達を沢山見てきているので、その問題点を痛切に感じているからなのです。