100匹目の猿を増やせ

「100匹目の猿」とは、ライアル・ワトソン氏の調査結果を本にしたとっても興味深い話なのです。
宮崎県串間市幸島の猿の一頭が、イモを海水で洗って食べると、とても美味しいというアイディアを突然思い付きました。
そして、イモを美味しく食べる為に、その真似をする猿の数が徐々に増えて行ったのでした。
やがて真似をする猿が、およそ100匹を超えた頃、その行動が群れ全体に爆発的に広がり、さらに場所を隔てた大分県高崎山の猿の群れまでにも、突然この行動が伝わって行ったという話なのです。
この話で重要な点は、情報が単純なる情報の伝達として一つずつ拡大するのでは無く、情報は増えれば増えるほど増長拡大して、巨大なスピードとパワーに成長しながら情報が伝わって行くという発見があった事なのです。
物理の世界では、あらゆる物体には固有振動数(その物体にとって振動し易い振動数)があるとされています。外部から振動が与えられるとき、与えられる振動が固有振動数に近づくにつれ、物体の振幅が急激に増大するのです。
この現象を「共鳴」または「共振」と言います。
例えば、公園遊具ブランコの、動きの調子に合わせて力を加えると次第に揺れが大きくなる様子が参考になるのです。これをもとに考えると、「心のエネルギー」も、同じ様に考えられるのです。
自然界には、気のように目に見えないエネルギーとエネルギーが繋がるネットワーク網のようなものが、その場に存在するのかもしれません。
そのように考えると、人間の脳にも、人々と共鳴しようとする働きがあるようなのです。
もしも人と人や猿と猿の間にも、目に見え無い共鳴があるのなら、100匹目の猿の現象を上手く説明する事が出来るのです。ある一定以上の人々が「ヴィジョン」を共有し、それを共鳴できれば、そのスピードとパワーが爆発的に世界中に広がる可能性が強いという事なのです。
そして、もしそれが事実であるのなら、日本人全体が強い気持ちで平和を祈り、平和への活動に動き、そのメッセージを伝えたなら、人類全体が共鳴して貰えるかもしれないのです。
なんと素晴らしい能力でしょう。そして人間自身がこれと同じ能力を持っているらしいのです。
そうなると、この素晴らしい能力を人類の平和の為に使わない手はないのではないでしょうか。
一方では、中国のことわざで、「朱に交われば赤くなる」とは、人は関わる相手や環境によって、良くも悪くもなるという例えなのです。「近墨必緇、近朱必赤(墨に近づけば必ず黒く、朱に近づけば必ず赤くなるの意味)」から来ているのです。
良い友人を選ぶことは大切だ、という教訓も含まれています。「朱」とは、黄色みのある赤色のことです。
人が支配されやすいことも意味しているのです。
例えば、学校で子ども達の勉強の様子を観察していると、一人ふざける子がいると必ず同調してふざける子がいる一方で、周りの子が全員、真面目で真剣に勉強に取り組んでいると、その場の雰囲気が伝達し、ふざけていた子も反省し静かに勉強をするようになる事が、しばしばみられるのです。
ですから、平和への思いの強い人たちが、繋がれば繋がるほど、加速度的に平和への思いと、それを支持する人たちが増えて行き、良い意味で朱に交わる者達が爆発的に増えて行くのではないのでしょうか。

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