リボルディングドアシステムへ

リボルビングドアとは、ホテルの正面玄関などに設置されている回転式のドアの事ですが、米国では大統領が代わると、それに伴い一斉に約三千の政府主要ポストが総入れ替えになります。そしてこのことを『リボルビングドア・システム』 と言うのです。
その目的は、一言で言うと競争原理の導入と政治、社会の活性化なのです。
各専門分野のエキスパートたちが「官から民へ、民から官へ」 と2つの世界を頻繁に行き来するのです。
ですから、どごにでも通用する人材が国家に育つ仕組みになっているのです。
ところが、日本ではそうなっていません。一度官庁に入ったら、定年するまで出て行きません。すなわち一方通行のドアとなってしまっているのです。そして、日本国家の最大の弱点がまさにここにあるのです。
どんな民間組織でも、途中で辞める人、クビになる人、中途で外部から入って来る人がいます。
この事が、組織の垢を落とし、活性化するエネルギーとなっている事は間違いの無い事実なのです。
そして、ただでさえ硬直化しやすい官僚組織の中で、公務員は守られており、不祥事さえ起こさなければ絶対にクビにならない、と思った時の人間の本能は明らかなのです。つまりは、安心してサボってしまうものなのです。
小学校から中学校で、モンスターペアレンツが増えている原因も、義務教育はクビにならないという安心感から来ているのだと、私はいつも感じています。
人間と言う生物においても、絶えず不具合の起きた細胞を自ら殺して、新しい細胞に置き換える「ホメオスタシス」という働きがあってこそ、健全な生命活動を維持する事が出来るのです。ですから、毎年機能しなくなった人材を新しい人材と入れ替える仕組みが必須なのです。
そのような不自然な組織システムが、日本の活性化を大きく阻んでいる事を反省し、今すぐにでも、環境順応型の組織システムに改めていただく必要があると考えているのです。
それは、日本の明るい未来には必要不可欠な政策だからなのです。

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