中国人は、なぜ英語が上手いのか
本当は、中国人の英語も決して上手では無いのです。
しなしながら、中国人の英語は下手でも上手いように見えてしまうのです。
それは、なぜなのでしょうか?その理由をあげてみると、
1)自己主張する事に日頃から慣れているから。
2)大きい声で、ハッキリと自分の言いたい事を言い切れるから。
3)発音や文法を間違えても、気にせずに自分の言いたい事を最後まで言い切れるから。
というのが大きな理由なのです。
つまり言葉とは、コミュニケーションのツールであり、言いたい事を伝える事が基本だからなのです。
ただし、コミュニケーションは一方通行では無いから、相手の言う事をしっかりと聞いて、理解する能力も同時に要求されるのです。この部分については、日本人の方がよっぽど上手だと感じるのです。
日本人への実践的なアドバイスとして、英語は言葉なのですから、日本語でも英語でも同じだと捉えてください。
話が簡潔で論理的であれば、少しくらい発音が悪くても、文法が間違っていても、相手には伝わるのです。
ですから、簡潔で論理的に話せば良いだけなのです。
その為には、
1)まず結論から述べる
2)その結論について3つ位の具体的な理由で説明する
3)最後までハッキリと論理的に言い切る事
日本人の曖昧文化が、結論を最後に言い、かつイエスなのかノーなのかがハッキリしないグレーな表現をする習慣が一番の問題だからなのです。
これらの例えは、日本人がキャリアアップを考える上でとても有効なのです。
なぜなら、英語が出来ると言う、本当の意味を証明する事にも繋がるからなのです。
私が定義する「英語が出来る人」というのは、次のような人の事なのです。
1)物事を論理的に正しく説明出来る
2)MC(Master of Ceremony)が出来る。つまり状況を踏まえて、議論を纏め進行が出来るのです。
3)交渉力がある、相手を論破できる
以上は、英語の能力には直接関係していないのですが、英語の能力は英語が喋れる事とイコールではない事がおわかりでしょうか。
言い換えると、日本人にとって最も必要な事は、まず上記のように、論理的に思考し、コミュニケーション能力をつけ、交渉術を磨く事だったのです。
もしそのような実力を付けてしまえば、後は簡単な英単語を並べるだけでも十分なのです。
多少発音が悪かろうが、文法が間違っていようが「論理的」であれば、言いたい事は伝わるからなのです。
ですから、言いたい事を強調出来る中国人は、ある意味論理的と言えるのです。
そして、一方的かつ積極的に自分の意見を皆の前で言えるので、MCに最も必要な能力だけは備えているのです。さらに、自分の主張を無理矢理通してしまう交渉力は世界一といっても良いのです。これらが、中国人が英語が上手いと思われてしまう理由だったのです。
ですから、日本人も中国人には大いに見習うべき所があるのです。
中国人は、10億を優に超える人口の中で生き抜く為に、さまざまな秘策を持っています。
元の時代にはモンゴル人に、清の時代には女真族と言うように、長年、様々な民族に支配されて続けて来た中国人にとって、生き抜いて種を繋いでいく事は簡単な事では無かったことが想像出来ます。
中国は、今や日本を抜いて世界第二位の経済大国とも言われているのです。
ですから日本人は、中国についてしっかりと研究をしなければならないのです。
「彼を知り己を知れば百戦危うからず」だからなのです。
しかしながら、世界でも有数の知的レベルの高い筈の日本人が、中国に対しての知識となると、ほとんど知らないと言うのが現状だからなのです。
もし日本が、これ以上経済大国としての地位を奪われたくないと考えるのであれば、日本人はもっと中国の事を勉強しなければならないのです。
中国には、論語に始まる思想史や老子の戦略史、近代の戦争史、毛沢東の共産主義史といった貴重な資料が有るのですから。
日本人はどんどん勉強をして、中国人よりも中国の事を説明できるようにならなくてはならないのです。
さもなければ、日本は中国人の良いように、振り回されてしまうであろう事が容易に想定できるからなのです。
来る5G、6Gメタバースの時代には、中国では無く、日本人が世界をリードして行くことこそが、世界平和にとっても最善だからなのです。