「本物」を見るために必要な心眼
どうしたら相手の嘘を見抜き、本当の心が見えるのでしょうか?
それにはまず、人の「心」はいったい肉体の何処にあるかを突き止めなければなりません。
おそらく科学的には、脳のなかにあるとの結論になるのでしょう。
たとえば、人は感動したり、悲しんだり、トキめいたりする時には、心臓がバクバクし、そこで感情の動きや痛みを感じることを実感しているのです。
ですから、「心」はハート(心臓)にあると感じてしまう事が多いのです。
しかしながら、人間が一番精神的なエネルギーを感じる所、そのエネルギーを通じて「物事の本質」「真実」を確かめられる所は、実は「第三の目」なのです。
第三番目の目、「心眼(マインズアイ)」は心の目とも呼ばれ、“内なる目”“松果眼”とも称される神秘主義や形而上学で扱われる概念なのです。
ヒンズー教のシヴァ神には第三の眼があります。
第三の眼は第六チャクラがある場所なのです。
多くの場合、直接認識、精神集中、幻視、透視、千里眼、予知、体外離脱に関連付けられ、また内なる世界や上位意識への扉として扱われています。
また肉体的な特徴以上に、統一、均衡、事物の相対的把握、解脱、超越的英知、光の結晶、霊的意識、悟りを象徴すると言います。
例えば、恋愛をするとき、男女とも「優しさ」や「同じ価値観」にひかれる場合が多いのですが、 男性の場合は脳の島皮質(とうひしつ)と呼ばれる部分の、特に視覚にかかわる場所が活発に活動しているのです。
なぜ男性が視覚に関する領域を活発化させているのかというと、健康で優秀な赤ちゃんを産める女性を見極めるためだと考えられています。
これに対して、女性の場合は視覚にたよる部分は低くなり、その分が男性とは違い「経済力」の方に関心が行くらしいのです。
このように男性は、本能的に視覚的要素に判断を委ねてしまうから、かえって本質を見失ってしまうリスクが高いのです。
本来の目を「第一の目」、聴覚や嗅覚などを視覚の代用とする耳や鼻などの既存の知覚器官を「第二の目」とすると、それらとは全く違う新たな知覚、知覚器官を「第三の目」という事が出来るのです。そして「第一の目」から見える視覚的情報は、あくまでも1次的な情報としてとらえ、それに「第二の目」で捉えた知覚器官からの情報を加味してみるのです。
そして最後に、それを「第三の目」(心の眼)でしっかりと、総合的かつ最終的に判断する事が21世紀にはとても重要なプロセスになるのです。
ですから、「第一の目」に代わり「第三の目」を最も重要な目へと昇格させる必要に迫られて来ているのです。
武士道ではこれを「心眼」(しんがん、mind’s eye)と言い、武術においては相手の挙動を予測して行動することで相手を制することを「心眼で見切った」などと表現しているのです。
